集まってはいけない。話してはいけない。そんな異常な事態だけど、読書はひとりでできることの一つ。
コロナ危機でモノや人の動きをとりあえず止めないといけないことになって、人間も動いていないと生きられない動物だったんだなぁ、などと思う。
自粛要請するなら補償が必要なんだけど、財政難の政府には「ない袖は振れぬ」といった様相。あるところにはあるというお金、いったいどこで何に使われているのか?
そんな今こそ紹介したい経済の本がこちら。
『父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話』の著者バルファキスの正体
このバルファキスさん、経済破綻した当時のギリシャの財務大臣だったそう。しかも、EUから財政緊縮を迫られる中、大幅な債務帳消しを主張したことで知られた存在だという。
わたしはこれで一気に興味を持った。
彼は長年イギリス、オーストラリア、アメリカで経済学を教え、現在はアテネ大学で経済学教授を務めている経済の専門家である。
そんな人がどうして債務帳消しを主張したのか?
ただの変人なのか?
世界的なベストセラーというこの本にはいったいどんなことが書かれているのか?
知りたいと思ったのだ。
まじめにふつうに働いても収入が減って生活が苦しいのはなぜか? 能力がないから仕方ないのか? 働けない人はどうすればいいのか?
主婦は、日々家計と向き合って思い悩んでいる。
これを読んでも家計がラクになることはないけれど、世の中の仕組みがわかって、ただわけもわからないまま翻弄されることはなくなる。できることは限られているけど、知らないでいることの怖さがわかる。
経済に興味がなくても、お金に関心のない人は少ない。
先行き不安な今こそ読んで損しない本である。