非現実的な本は読んでも役に立たない?

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難しい本を苦労して読むと、読む力がつくと言われています。

とくに評価が定まっている古典はぜひ挑戦したほうがいいらしい。

わたしはまだ挑戦中。

本には、大昔に書かれた古典といわれるものをはじめ、現実離れした小説など、選びきれないくらいさまざまなジャンルのものがあります。

どちらかと言えば、実用的でない非現実的な本のほうが多いかもしれません。

そのような実生活とは無縁に思える非現実的な本はどうして何のために読むのでしょうか?

実生活と関係ない本はない。

現実離れした物語であろうが、大昔の人が書いた大昔のできごとの本であろうが、専門家が書いた学術書であろうが、じつは実生活と関係のない本はないんです。

佐藤優氏は『国語ゼミ』の中で、優れた学術書は筋道を立てて物事を論理的に思考し表現する力をつけ、古典は過去の出来事と現実の社会を類推する力を養い、小説や物語は異なった時代や社会を生きる人間の状況や気持ちを想像して共感する力を育むと述べています。

どんな本も今の暮らしと無関係ではなくて、役に立たないこともないんですね。

類推力が読書を何倍も楽しくする

類推とは類似点を探すことです。

一見無関係に思えることがらでも、現代の自分や暮らしに当てはめて考えることができたら、これまで思いもしなかった視界が開けるかもしれません。

読書は自分だけの経験や知識の限界を大きく広げてくれるものなんですね。

悩んでいるとき、苦しい時、大きな空や海を見て励まされることがあるように、読書もまた実生活に力を与えてくれます。

わたしは佐藤優氏の本で資本社会のしくみを学び、今自分が生きてる社会がどういう性質のものなのかを知ったとき、何かが解決したわけではないのに、むやみに先行き不安になっていた気持ちが冷静になって、どういうわけかラクになったんですよね。

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現実逃避する読書もいいけれど、今の自分や今の日本や今の地球に結びつけて読むことができたら、読書は何倍もおもしろくなります。

本は知らない世界、知らない考え、未経験の体験をもたらすからです。

だから読書はわたしたちを成長させてくれるんですね。

「外部を受け容れる「天然知能」こそ進化し得る生物」と郡司ペギオ幸夫氏は著書『天然知能』で述べています。

自分の限界を超えたところにある外部を受け容れるのに、読書はもっとも手軽な方法のひとつかもしれません。

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