読書で読解力は身につかない?

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何をするにも読書は有益という点で異論を述べる人はいない。

当然、読解力は読書で身につくものと考えている人は多いのではないだろうか?

でもこれ、ちゃんとした関係は見い出されていないそう。

読書好きとしてはちょっとがっかりな話。

読解力が上がる王道はない

驚くべきことに、読書週間をはじめとする諸習慣と読解力との相関関係はほとんど見い出されなかった。たとえば、読書好きであることと読解力があることに有意な関係はない。塾に行っていることと、読解力の有無にも相関関係はない。この調査自体がどこまで信頼できるかという問題は、とりあえず脇に置いておきますが、アンケート調査から判断する限り、「読む力」を鍛える方法は見当たらないということになります。(佐藤優『国語ゼミ』73ページより)

これは『AIvs.教科書が読めない子どもたち』の中で新井紀子さんが全国25,000人を対象にして行った読解力調査の結果について述べていることを受けての佐藤優氏の文章です。

読書好きの身としては、がっかりな反面、じつは思い当ることがないではない。

読書好きは、けっこう好きな作家やジャンルが偏っていて、「ばっかり読み」している場合が少なくない。自分がわかりやすくておもしろいものばかりを読んでいるのだから、成長してない可能性は高い。

わたしは本を読むのが好きだから、正直どんな本も日本語ならそれなりに読めると思っていたけれど、実際古典はさっぱりわからないからおもしろくないし、ほかにもきっとわからなくて読めない本が無数にありそう。ほんとはおもしろいことが書いてあるにも関わらずです。

本が好きでたくさん読んでいるからといって、必ずしも読解力があるとは限らないというのは当たってます。

読解力を鍛えるヒント

佐藤優氏は、読解力をつけるための王道はないけれど、ヒントならあると述べています。

本質的な「読む力」を身につけるうえでは、具体的な人間関係のなかで誰かの影響を受けることが決定的に重要なのです。

それは教師かもしれないし、友人かもしれない。ビジネスパーソンであれば、会社の上司であるかもしれない。読解力や読書力は、そういった感化や影響を受けることでしか身につきません。

(佐藤優『国語ゼミ』75ページより)

感化や影響というのはわかる気がします。

わたしが小説以外の本を読むようになったきっかけは養老孟子さんでした。『バカの壁』が流行っていたからだったと思います。それから新聞だったかテレビだったかの影響で中沢新一さんにハマるようになりました。

中沢新一さんの本はふしぎで、わからないところがあってもおもしろかったんですね。

何というか、知らないことだらけで、知的好奇心がむちゃくちゃ刺激されるんです。それでだんだん書いていることがちゃんとわかるようになりたくて、数学とか構造主義とか、レヴィストロースとか、勉強したくなってくるんですよ。

こういうのが感化とか影響ってやつではないかと。

わたしは具体的な人間関係とはちょっと違いましたけど、興味のある人がいいよって言ってる本を読んでみたくなったり、本に限らず関心を寄せているものごとについて知りたくなったり、少なからず影響を受けること、珍しくないですよね。

そういう意味で身の回りの環境って大事かもしれません。感化や影響はいいものだけとは限りませんから。

読解力を伸ばす手段としてよく言われてるのが難しい本を読むことです。でも、感化や影響なしにわざわざ難しい本を読むでしょうか。

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また新井紀子さんは、豊かな生活体験が読解力を育むと話されています。

文字を読むだけではなくて、読解力は生活の中で学ぶさまざまなことと関わりがあるからですね。

これもまたわかる気がします。

残り少なくなってきたおとなの時間、どうせ読むなら読解力が伸びる読書がしたい。

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