基礎的読解力テストの6分野

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『AIvs.教科書が読めない子どもたち』の著者、新井紀子さんは、AIに読解力をつけさせるための研究で培ったノウハウで人間の基礎的読解力判定テストを開発。

子どもたちの読解力がAI並みに落ちていることを証明し、警告しています。

読解力を6つの分野に分けて判定。

おもしろかったので紹介します。

1.係り受け

主語と述語、修飾語と被修飾語の関係。

アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。

セルロースは(  ①  )と形が違う。

①デンプン ②アミラーゼ ③ブルコース ④酵素

2.照応

「それ」「その」といった指示代名詞の指す内容。

火星には生命が存在する可能性がある。かつて大量の水があった証拠が見つかっており、現在も地下には水がある可能性がある。

かつて大量の水があった証拠が見つかっているのは(   )である。

①火星 ②可能性 ③地下 ④生命

3.同義文判定

文は異なるが、意味内容が同じもの。

義経は平氏を追いつめ、ついに壇ノ浦でほろぼした。

平氏は義経に追いつめられ、ついに壇ノ浦でほろぼされた。

①同じである ②異なる

4.推論

経験や常識、知識を総動員して理解すること。

エベレストは世界で最も高い山である。というのが正しいとき、

エルブルス山はエベレストより低い。

①正しい ②まちがっている ③判断できない

5.イメージ同定

・四角形の中に黒でぬりつぶされた円がある図を選びなさい。

・メジャーリーグの選手のうち28%はアメリカ合衆国以外の選手であるが、その出身国を見ると、ドミニカ共和国が最も多くおよそ35%である。この内訳を表す円グラフを選びなさい。

・原点0と点(1,1)を通る円がX軸と接している図を選びなさい。

(いずれも図は省略しました。)

6.具体例同定

定義と一致する具体例を認識する能力。

2で割り切れる数を偶数という。そうでない数を奇数という。

偶数をすべて選びなさい。

①65 ②8 ③0 ④110

現在AIは1の係り受けと2の照応については人間並みに正解する能力があるそうですよ。

でも、ほかの4分野についてはまったくできないそう。天文学的なデータ量と計算をしないと、答えを見つけることができないと言います。ちょっとホッとしますね。

わたしも数学的な図が弱点とわかりました。

人間は、今からでもじゅうぶん読解力を伸ばせますよ!

ただし、残念ながらこれといった決定的な方法は見つかっていません。ただAIのように暗記や計算に依存した勉強では身につかないことがわかってきてます。

やっぱり読書と人間らしい生活体験の中で思考を積み重ねることでしか身につかないもののようです。

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